登山Youtuber MARiA麻莉亜さん遭難からの生還について

2025年3月に登山YoutuberであるMARiAさんが北海道・旭岳付近で遭難したという報告をしています。近くの黒岳は、谷口けい氏が遭難死した場所としても知られています。

悪天候に突っ込む

厳冬期の北海道で、天候が悪いことが分かっているのに突っ込んでいき、ロープウェイを登った時点でもホワイトアウトしていたのに登山を続行して遭難に至ります。悪天候の中で雪山に突っ込むのは、死にに行くようなものです。

旭岳山頂で既に3:30をまわり、旭岳の下でテント泊を決断します。ホワイトアウトの中でGPSのみを見て進む方向を決めるという転落などの危険もある極めて危険な登山です。案の定、見失って引き返すことができなくて遭難するに至ります。

MARiA縦走
MARiA縦走

今回の場合には、悪天候が予想されていて、突っ込むことがなければ「避けることができた遭難事故」でした。既にMARiAさんの生き方それ自体が「危険がないと楽しめない」ような精神状態になっている可能性があります。

冬山において「気象条件が悪い中を突き進む」のは、ただのアホがやることであり、プロ登山家が行うことではないでしょう。

携帯GPSが機能しない

冬山に行く際には、携帯GPSが機能しなくなることを「想定」して、対策しておかなくてはいけません。最低限の対策としては、GPS機能が付いた腕時計を持ち歩くことです。唯一のスマホをなくしたら「位置が分かりません」というのは、ソロ登山ではあまりに危険すぎます。

アウトドア用にタフに作られているので、氷点下の極寒でも機能します。携帯電話がなくなったら場所が分からなくなるという事態だけは避けなくてはいけません。

貴重品を手放してしまう

今回の遭難事故では、スマホ・財布などが全て「飛ばされて」貴重品が手元から離れてしまっています。夏山遭難であっても、ザックごと川に流されてしまったり、滑落した際にザックがどこかに行ってしまうことがあります。

ザックが流されて「何もない状況」になると、本当に生死に関わることになるので、ザック以外の所にも貴重品・簡易の食糧・簡易ライトなど最低限のものを入れておく必要があります。

凍傷の治療

MARiA氏は、今回の遭難によって重度の凍傷(3度)になりました。極寒の中では、予備の手袋を持っていったとしても、容易に凍傷になってしまいます。私もスキーの時に「テムレス手袋」をしてみましたが、それで耐えられるのは-5度ぐらいが限界でした。

MARiA氏は、動画の中で治療した病院を明かしていませんが、推察するに長野県にある「諏訪中央病院」の皮膚科だったと思われます。

海外の登山なら100%死んでる

日本国内であれば、市街地が割と近いので最終的に生存して帰ってくることができましたが、海外の山であれば間違いなく行方不明になって死んでいたのだろうと思います。