社会人登山サークルの主な目的は、仲間を作って楽しむことです。自分が楽しいと思えば、趣味として長続きさせることができます。長続きさせていれば、少しずつ知識がついてくるのでもっと楽しくなっていきます。
人類はできることをやり尽くした
人類未踏の地は少なくなり、人類に地球の冒険は「やり尽くした感」が出てきています。その中で先端を行く冒険家のディーン・ポッターは、超一流のクライマーが3日間かかるとされるアイガー北壁を2008年にフリーソロで2時間47分で完登しています。まだ、1936年アイガー遭難事故から100年もたっていません。いかに『自分が経験がある』と言っても、自分が超一流と言われても、このような超人記録の前に無言になってしまうでしょう。これ以上の記録を作ろうとするならば、もはや空を飛ぶぐらいしかないでしょう。
日本国内の山も登山道、山小屋が整備されて、日本国内のほぼ全ての山が「天気が良くて体力があれば、ほとんど誰でも登れる」状況になっています。研究者・登山家である伊藤達夫氏は、自身が研究していた黒部の雪山で、学生2人を引き離した上で遭難しました。
低山ハイキングの重要性
今日、全く登山の経験がない人が富士山(夏山)を登っても、ほとんどの場合に遭難せずに頂上に到達することができるでしょう。全く登山に無知だったとしても、天気さえ恵まれれば、ほとんどの山で遭難せずに無事に帰ってくることができます。そして高い山に登れたことにより、自分の実力を過信することになりかねません。
低山をきちんとこなしていれば、装備は少しずつ充実して、山岳知識も付けることができます。
コミュニケーションの重要性
1人で登山するというのであれば、高いコミュニケーション能力は必要ないかもしれません。今では、インターネットでそれなりの知識が手に入るので、インターネットで知識を手に入れて1人で登山に行けばいいのです。
同じパーティを固定するのではなくて、多くのパーティ登山することで、様々な情報をやり取りすることができるようになります。
ノウハウの共有
グループ登山することで、多くの情報を共有することができるようになります。どんな場面で、何をどう使えばいいかということを学ぶことができるようになります。
自分で学ぶこと
社会人の関係では、お父さん・お母さん・先生のように「誰かが丁寧に教えてくれる」ということがありません。お互いにサービスの提供を行っている訳ではないからです。世代の違う人たちがお互いに切磋琢磨しながら、自分自身を向上させる機会にもなればいいと思います。