登山に持っていく装備品は、日帰り、テント泊、複数日をまたぐ縦走登山などで異なってきます。近場の日帰り登山では、軽量の登山バックに簡単なお弁当を詰め込んで行っても良い場合もありますが、宿泊を伴ったり、テント泊となると、重装備になっていきます。
登山に行くときの装備
登山に最も必要になる装備は、登山靴、食料、レインコート、ヘッドライト、携帯電話の充電器などです。初心者の場合には、低山から初めて装備を揃えていき、少しずつ中級の山にもアプローチしていきます。手袋、懐中電灯などは、100円ショップのものでも入手していくと安全性を高めることに役立つので、絶対に装備していくようにしましょう。
▼日帰り登山レベル
日帰りの登山レベルであったとしても、スマホ充電器を2個(5000mAでも満タン2つ)と、ヘッドライトに加えて予備に手持ちライトを持っていく必要があります。日帰り登山でも、帰れなかった時のために山中で1泊できる非常用キッドを持っていく必要があります。サバイバルシート、自転車カヴァー(ツェルト代わり)、銀マットも100均で揃えられるものであり、軽量なのに1泊する時に威力を発揮します。
・登山靴
・地図&コンパス(必修)
・ヘッドライト&ライト(必修)
・保温ボトル
・レインウエア(必修)
・スマホ充電器2個&コード2本(必修)
・予備の携帯スマホ
・ティッシュ(必修)
・手袋(必修)
・タオル(必修)
・簡単な緊急キッド(必修)
・ダウンジャケット防寒具(夏も必修)
・サバイバルシート類(絶対に必修)
・コップ&水分入れ物(必修)
・行動食(ナッツ・飴・チョコ)
・通常食(おにぎり、カップラーメン類)
・非常食(フリーズドライ・ゼリー状)
・緊急用の水分(300mlぐらい)予備
・マッチ・ライター・チャッカマン(必修)
・アルコール(固形燃料)
・ビニール袋(ゴミ・緊急時の水分入れ)
・携帯浄水器
———————————————
・着替え(靴下、シャツ、下着)
・100円ショップ銀マット×1~2(軽量で役立つ)
・100円ショップのカッパ×1(軽量で雨防げる)
・折り畳み傘(超軽量)
・虫除け
・水筒
・紐×4(予備の靴紐・テント紐 兼用)
・ホッカイロ×5個(夏場も必修)
(ハクキンカイロ)
(宿泊の場合に靴の乾燥にも使える)
・蛍光の目印テープ
・予備のライト
・ホイッスル
用具を整理すると分かるとおり、携帯は充電しないと使えませんし、充電器はコードがないと使えません。五徳は、ライターがないと使えません。そのため、セットで持ち歩かないと用を成さないものは、袋などに入れて一緒に持ち歩く必要があります。
もっていくことを奨励
・ザックカバー
・腕時計
・サングラス
・日焼け止め
・熊鈴
・ゲイター(雨具)
・ツェルト or タープなど(非常用)
特に軽量タープは、簡易テントの代替にしたり、そのままかぶって雨をしのいだりなど、用途の幅が非常に広いので、山岳行動では必ず持って行くものです。
▼カトラリーにこだわる
私は、100円ショップのカトラリーを使っています。多くの登山者が使っている登山の専用で使う折り畳み型の超軽量のものよりも、このぐらいきちんとしていた方がが食事がしやすいのです。食欲を出すために、きちんとした箸で食べたいものです。全てプラスチックなので重量は極めて軽量で数グラム程度です。
遭難時の予備バッテリー
遭難した時に携帯が繋がらないことは、本当に命取りになります。バッテリーが1つ持って行ったとしても、マップ利用、写真の撮影などで電池がなくなっていて、山の中で僅かな通話で電源が落ちたら、スマホが全く意味をなさなくなります。
必ず「遭難時のみ利用する」予備の低用量バッテリー(5000mAなど)をビニールに入れてカバンの中に入れておくと良いでしょう。もちろん、コードがなければ、バッテリーなど使い物になりませんので、短いコードもセットでいれておきます。これで遭難時に「連絡だけは何とか出来る」と言う状況を確保しておくことができるようになります。お守りの代わりと言えるものですが大切なものです。
テント・山小屋泊をする装備品
・テント
・寝袋
・クッションマット
(エア枕)
・タープ
・ガス一式(ガス缶)
・着火マン(必修)
・鍋&食器類&カトラリー類
・非常食としてフリーズドライ食
水分は、万一のことを考えて多めに持っていく必要があります。特に夏山では、水分の消費が早いので1.5リットル以上が奨励されます。1000メートル以下の夏山1.5~2リットル、1000メートル以上の夏山2~2.5リットル。
夏の低山縦走ぐらいであれば、タープと蚊帳で挑むことも可能です。
登山で持っていく食事
登山で持っていく食事は、5大栄養素とされる「タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル」のバランスを考えます。また、数日に及ぶ登山の場合には、食欲・味も考えた方が良いでしょう。
たんぱく質・・・肉・魚
脂質・・・・・・マヨネーズ
糖質・・・・・・ご飯・パン
ビタミン・・・・野菜・果物
ミネラル・・・・牛乳・海藻・ナッツ
長期の登山になるほど、ビタミン・ミネラルが不足しがちになっていくので、それを補う方法を考えなくてはいけません。ビタミンC不足を補うために「じゃがいも」が極めて有効で、じゃがいも蒸し焼きなどが良いでしょう。乾燥野菜で栄養を補うことも有効です。
速乾のシャツ2枚
速乾シャツは、軽量で非常に役立ちます。汗をかいた時もすぐに乾くので、体温の低下を防ぐことができます。できれば、半袖、長袖を持っていくと良いでしょう。また、雨に濡れても1日干しておけば乾燥させることができます。登山だけではなく、スノーボードでも大変に有効です。雨などでビバークしている時には、速乾性のものであれば、ホッカイロを使うと早く乾燥させることができるので有効です。
着替えは、濡れてしまったら着替えの役割を果たしません。悪天候の時に強引に登山するのは避けるとともに、濡れた時には、必ず着替えられるようにしておくのが良いでしょう。
ドライフード非常食
最近では、ドライフードがコンビニで売っています。ドライフードは、軽量ですが非常食として極めて有効です。お湯があればベストですが、水だけでも食べる事は可能です。いくつ持っても、それほどの重量にはなりません。非常食を持っていく時には、ドライフードのような「少し大きめのもの」も持っていくと、これで「1日分の食料」として使えます。1食100Gですが、非常時に何とか1日過ごせるので、登山の時に5袋(500g)ほど持っていくと遭難した時も安心です。
非常用のツェルト
ツェルトは、きちんとしたものになると1万円ほどかかります。高額なツェルトを購入できない場合には、1人用の携帯タープをツェルトの代用品として持っておくと便利です。タープは、木の間にロープ1本あれば屋根にできます。また、夏季であれば、100円ショップの「自転車カヴァー」が超軽量でツェルトの代用品として有効です。モスキートネット(1000円)+タープ(1600)で合計2700円で超軽量の簡易テントを完成させることも可能です。
手袋
登山に行く時には、手袋を必ず持参するようにしましょう。100円ショップの手袋で大丈夫です。手袋の主な役割は、木の枝を掴んだ時に漆などに接触した手荒れ、毛虫のトゲなどの手荒れの予防を防ぐことです。
冬山の装備
冬山の装備は、夏山に比べると寒さ対策などが中心になっていきます。また、冬山でも雨の対策のために「簡易の雨合羽」を忘れないようにすることも大切です。
アウターシェル上下(雨合羽不可)
ダウンジャケット上下、中間着、冬用登山靴
アイゼン(12本爪で冬季用の長いもの)
ピッケル、わかん(スノーシューは不向きです)
ロングスパッツ
手袋(オーバーグローブ、インナーグローブ、薄手の手袋。予備を含めて各2枚ずつ、作業用テムレス)
帽子2種類(毛糸の帽子と目出帽)
ネックウォーマー
サングラスとゴーグル
ヘッドランプ
レスキューシート
雨合羽(簡易100円ショップ)
日焼け止め、着替え、タオル、テルモスなどのお湯を入れる携帯用ポット
ホッカイロ(必ず20個以上)
行動食、カメラの予備バッテリー、女性の方はふくだけのメイク落としなど。
手・足の凍傷対策
手足の凍傷対策は非常に重要になります。マイナス10度レベルになると、手を露出してしまった場合には、10分ほどで手の感覚がなくなって凍傷になってしまいます。雪山では、いかなる場合にも絶対に手を露出させないようにする必要があります。ホッカイロは、主に手足を温めるために必需品になります。顔は、凍傷にならないように何かで覆っておく必要があります。
手袋・靴下が濡れるようなことがあれば、凍傷になりやすくなるので交換が必要になります。秋登山などで雨で装備が濡れると、凍傷になることがあります。「防寒テムレス」を常備することが凍傷の予防に有効です。