飯豊連峰3泊4日の縦走ソロ登山で行く天空の花園

今年の夏メイン登山としては、「南東北・飯豊山」を選びました。

飯豊山は、東北アルプスとも呼ばれ、20キロにも及ぶ稜線上に美しい花が咲き乱れることで、多くの登山者の「憧れの山」として知られています。飯豊山には、避難小屋が沢山あるので、この避難小屋を利用しながら、登山者に合わせて「かなり自由度の高い縦走」を楽しむことができます。

私にも、いよいよ憧れの山を縦走する機会が巡ってきて、2023年夏の良い思い出作りが出来ました。

飯豊連峰は、福島県・山形県・新潟県3県にまたがって20キロほどの山域を形成する東北を代表する山々です。100名山にもなっている飯豊山は、「どこから登ってもきつい」と言われるやや上級者向けの山とされています。東京からだと、登山口まで行くまでにも前泊が必要になるうえ、登山口から標高1500メートルの急斜面を一気に登っていくことになります。ただし、他の山と同様に、その難易度は登山口・ルートによってかなり差があります。

弥平四郎登山口から入山

私が利用した「弥平四郎登山口」は、最も危険個所が少ない登山道と言えるので初の飯豊山にぴったりです。一方で、川入登山口から入り、剣ヶ峰を経るコースは、かなり上級者コースになっています。ツアーなどは、大日杉登山口から入り、地蔵岳を通って切合小屋に宿泊して1泊2日で飯豊山を目指すことが多いようです。

飯豊山に登山に来る人たちは、山に慣れた人が多かった印象があります。そして、地元からこの山が好きで登っている人も多くいて、色々とお話させて頂くことが楽しみでした。ソロ登山ではありましたが、数多くの人とお話させて頂いて、数名の方とは、一時的に行動を共にさせて頂きました。

ソロで縦走登山の良さ

今回の私の登山は、前泊、予備日を含めて1週間ほどの行程です。平日を含めた3泊4日(前泊と予備日を合わせるとほぼ1週間)の登山になり、サークルで日程を合わせるのは難しいので、ソロ登山となります。ソロで縦走登山をすることのメリットは、「日程を極めて柔軟に組むことができる」ので、安全性を高められることにあります。実際、最終日の頼母木小屋に宿泊していた5人(3人小屋・2人テント)は、全員がソロ登山の(暇そうな)20代~40代の山が大好きな男性ばかりでした。夕方に食事を作りながら男5人でおしゃべり会をやってました。ソロ登山の良さの1つは、登山を通じて沢山の人と出会って語り合える点です。

1人の意思で日付をずらしたり、行程を変更したりするのを自由にきめることができます。例えば、今回の登山でも、天候を見て日程を1日あとにずらしました。また、体力がないと判断すれば、自分で途中で自由に行程を変更することもできます。その代わり、ガイドも、友人もいないソロ登山では、自分自身の決断に責任を持つ必要があり、きちんと情報収集をしておくことが欠かせなくなります。登山中に他の人と会話をして情報交換することも大切かと思います。

東北の山の特徴

東北の山は、登山客が「関東圏からアクセスできる山」に比べて少ないので、ロープ、鎖、ハシゴなどは、最低限しか整備されていないことが多くなります。さらに、標高が2000mほどであるのに、夏でも残雪があったりします。それだけにアルプスの山々よりも、難易度が高いコースもあります。例えば、北股岳に登っていくルートは、滑るガレ場で落ちたら崖下という危険な場所もあるのですが、鎖もありません。中級者向けの山をいくつも登ったことがある「それなりに山に慣れた人」が来る山だと思います。また、飯豊連峰で最も難易度が高いとされる「石転び沢」は、標高差1000mの大雪渓であり、東北を代表する「大雪渓の登山コース」として知られています。

飯豊山は、コース設定にもよりますが、夏でも残雪があったり、滑落の危険がある岩場が何ヶ所もあることもあり、体力・スキル・経験で日程・コース選定を慎重に行って入念な調査・準備を必要とします。特に悪天候の時には、視界が悪くなって道迷い・滑落の危険が出てくるので注意が必要です。

飯豊山の不思議な県境

飯豊山は、明らかに山形県・新潟県の県境にあるにもかかわらず、福島県になっている地域があります。三国岳、種蒔山、飯豊山、御西岳にかけての稜線上のみ福島県・喜多方市に属するようになっています。山小屋の管轄も、それぞれの県が行っていたりするので、飯豊連山には、新潟・山形・福島の管轄下にある避難小屋が存在しています。県境を決める時、福島県側の人が「信仰の対象とする飯豊山は、福島県に入れて欲しい」という要望のもとに、このような県境になったということです。日本にける山岳信仰は、険しい山に入ることを修行として、自然より悟りを得るというものです。

登山計画

ルートの選定は、ネット情報で登山者の履歴を参考にして決定しました。ルートを決定してからは、YAMAPで登山計画を作成して、予定時間を設定して保存しておきました。事前にルート設定をしておくことで、ルート・時間の管理をきちんと行うことができます。

飯豊山の縦走だけが目的であれば、弥平四郎登山口から飯豊山荘まで、2泊3日で無理なく縦走することも可能です。私の今回の登山は、単純に縦走するルートに加えて、大日岳と、朳差岳をプラスして、縦走+αを(いわゆる全山縦走)狙ったので、3泊4日のプランになりました。ルートとしては、飯豊連山を代表する山である飯豊山、北股岳、大日岳、朳差岳を全て含んだ贅沢な縦走になります。

7月20日から登山を開始しようと思っていましたが、天候不順によって1日延期して21日から登山開始としました。ソロ登山は、柔軟に日程を変更できる点が良いところでもあります。

尾根沿いにある雪渓

7月上旬まで尾根沿いに雪渓を歩くことが多くあり、7月後半でも部分的に雪渓を歩きます。特に御西小屋~梅花皮小屋ですね。晴れてれば問題ないですが、ガスがかかっていると注意が必要になります。完全に雪渓を避けるなら8月になります。

日時:2023年7月21日~24日
メンバー:ソロ登山
タイム:35.0時間
全距離:48.8km
標高差:登り4331m、下り4362m
予算:約4.0万円(喜多方前泊5000+山小屋3泊で13000円+飲食5000円+別途交通費など)
登山口:弥平四郎登山口
下山口:飯豊山荘
1泊目:切合小屋
2泊目:梅花皮小屋
3泊目:頼母木小屋

福島側から入って新潟側に抜ける

今回の登山計画は、福島側から入って山小屋に3泊して、新潟側に抜けるというものです。当初、テント泊も考えましたが、飯豊山には、避難小屋が沢山あることで、山小屋泊を選択しました。山小屋泊であれば、テント泊よりも荷物の重量を減らすことができます。今回は、水、そして食べ物3日分など、かなりの重量になり、登りが相当にきつかったので、テントを持っていかなくて良かったと思います。

2023年7月20日に入山を予定していましたが、天候を見て2023年7月21日に入山としました。天候などを見ながら、臨機応変に対応して安全を確保できるのは、ソロ登山の良さであると言えるでしょう。ソロ登山であれば、自分のペースを崩すことなく、時間管理をしながら登山をすることもできます。

帰りは、飯豊山荘に下山して、温泉に入って帰るというプランを立てました。最初から最後まで、時間的にギリギリに組んでいて、気が抜けませんでした。1日目の石合小屋は、朝食が5:00からなので、朝食を食べずに4:30分に出発しないといけなかったなと反省しています。朝食のご飯・味噌汁が食べたくて5:00に食べてすぐ出発したのですが、次の山小屋に到着するのが17:00頃になってしまいました。もう少し荷物を減らしてペースをあげる必要も感じました。

YAMAP地図による山行管理

YAMAP地図とGPSを使って、ルート・時間管理を行いましたが、ガスがかかって道が分かりづらくなった時、これが大いに役立ちました。また、丸森ルートから下山時に道が分かりづらくなった時にも、YAMAP地図とGPSを使ったことで、正確なルートを把握することができました。登山では、YAMAP地図を使う事が遭難防止に極めて有効だと思いました。少なくとも、道迷いを起こす可能性を大きく減らすことが出来たり、道を迷っても正確なルートにすぐに引き返すことができるようになります。

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Day0 2023.07.20

喜多方市に前泊

当初、ホテルが多い会津若松市に前泊しようと考えていましたが、GoogleMapで宿を探したところ、喜多方市に良い旅館を見つけたので、そちらに宿泊させて頂くことにしました。喜多方市の駅から歩いて10分ぐらいの場所にある「笹屋旅館」に素泊まり1泊5000円で宿泊することができました。すぐ近くにセブンイレブンもあって、とても便利でした。女将のおばあちゃんの対応も好感が持てるもので、お部屋も広くて良い部屋で、僅か8時間ほどの滞在は惜しかったです。喜多方市には、また来たいと思いました。

喜多方市は、福島県の北西部に位置しており、山形県と接しています。喜多方市には、初めて来たのですが、平野に水田が広がる中にあるオアシスのような都市だなと思いました。最寄りの新幹線駅が郡山と遠いこともあり、人口は戦後のピーク時から半減して40000人ほどになっています。

良い宿に宿泊して、お風呂にも入って、きちんと寝る事が出来ました。早朝に宿を出発して、デマンドバスに間に合う電車に乗って野沢駅に向かいます。早朝は、会津若松方面い多くの高校生が乗り込んでいましたが、私が行くのは逆方向です。喜多方市は、デマンドバスが発車する野沢駅にも近いので、朝はゆっくりすることができました。

3泊4日の縦走登山

全歩行時間35時間 歩行距離48.8㎞
3日間で50キロ近い距離を歩きました。何とか歩ききることはできましたが、最後の方は、足がかなり重くなっていて、日頃からきちんと山で訓練を積んでおかないと、これ以上になると厳しいだろうということを痛感しました。ペースは、かなりゆっくりでした。

Day1 2023.07.21

1日目は、弥平四郎登山口から入山して、切合小屋までいくコースで、体力勝負で難所は特にありません。1600メートル以上の高低差を一気に上がっていくので、かなりきついです。特に疣岩山あたりまでは、息つく暇もなく一気に登っていくことになります。

Day1
7時間50分
距離12.0㎞ (休憩30分)
のぼり1647m くだり340m
切合小屋泊
8:42 弥平四郎バス停
9:51 弥平四郎登山口
10:30 祓川山荘(はらいがわさんそう)
12:50 松平峠
14:10 疣岩山(いぼいわやま)
14:50 三国岳
15:00 三国小屋
16:00 種蒔山(たねまきやま)
16:20 切合小屋

7:45 JR野沢駅に到着

予定通りにJR野沢駅に到着しました。デマンドバスの乗り場は、駅の目の前にあります。

JR野沢駅
JR野沢駅

8:00 JR 野沢駅からデマンドバス乗車

夏季の期間は、JR野沢駅(磐越西線)からデマンドバス(7月中旬~8月中旬のみの運行)が出ています。7:45 JR野沢駅に到着して、8:00頃に出発しました。運転手の方は、大変に丁寧な対応で、とても印象が良かったです。一緒に65歳だという谷さんという方が乗車して2名でした。デマンドバスの利用料は、450円(乗車料300円+手荷物150円)と非常に良心的です。私は前日に予約しましたが、空席があれば予約なしでも乗せてくれます。

デマンドバスに一緒に谷さんは、植物にとても詳しくて、登山道を最初の1時間ぐらい一緒にあるいたのですが、植物を観察しながら楽しく歩くことが出来ました。登山で出会い、情報交換をすることは、ソロ登山の1つの楽しみでもあります。

8:45 弥平四郎バス停に到着

弥平四郎バス停で下車して、登山口まで1時間ほど舗装された道路を歩きます。マイクロバスで一緒だった谷さんが植物を色々と説明してくれました。谷さんは、私と別コースを選んで、上ノ越ルートを選んだので、この後に1時間ほど一緒に歩いて、分かれることになりました。谷さんは、60歳と言っていたけど、本当に若々しくて元気そうでした。私は60歳になった時にあんなに元気に登山をできるのだろうかと思いました。

弥平四郎バス停下車
弥平四郎バス停下車。写真は、ご一緒した谷さん。

9:51 弥平四郎登山口の分岐

登山口は、分岐となっており、私は祓川山荘の方に歩いていくことにしまして、谷さんとはここで分かれることにしました。祓川山荘を経由するルートは、難易度としては、それほど高くありませんが、とにかく体力を必要とするコースになります。

ルートを説明する谷さん

10:00 大雨で破損した橋

ここには、橋がかけられているそうですが、大雨で橋が破損して使えない状況になっていました。この日は、水量がそれほどでもなかったので、石を伝ることで全く濡れずに渡渉することができました。この日に限っては、足が水につかったとしても、流されるような水量ではありませんでした。水量が多い時には、注意を要する場所だということです。
(この橋は、この後の2023年7月末頃には補修されたようです)

破損した橋
破損した橋

10:30 祓川山荘

祓川山荘は、弥平四郎登山口から入ってすぐの場所にあります。見た目も内部も古い山荘であり、森の中にあるので、内部が薄暗くて不気味な感じがします。引き戸ではなくて、開き戸になっていて、扉が外れかかっていたので直しておきました。壊れかけた薄い戸を修復しないと、動物が入って住まいにするのではないかと思いました。

ここに水場がありますが、標高が低いこともあって、水を十分に持ってきたこと、水質に不安があったことで、タオルを濡らすだけにしておきました。

この辺りには、蝦夷紫陽花(エゾアジサイ)が至る所に咲いていました。このあたりから、非常に暑くなってきて、濡れタオルを頭にかぶって登山するような状況でした。1日目だから、氷でも持ってくれば良かったと思いました。

13:00 尾根沿いを登っていく

弥平四郎登山口から登山する場合には、急斜面で体力は必要ですが、危険個所は少ないです。この写真に見られるような尾根が「注意スポット」になりますが、気を付けて歩けば、滑落の危険性は少ないと思います。下山に使った丸森尾根の方が危険個所が多くて大変でした。

13:55 疣岩山(いぼいわ分岐)

急斜面に重い荷物なので、登山のペースが遅くて、予定時間よりも1時間も遅れてしまっていました。山小屋の到着が遅くなってしまうという事で、少しペースをあげることにします。ここで上ノ越ルートから来た60歳ぐらいのペアが休憩しており、少し話すと「切合小屋を予約した」ということでした。ペースが私よりさらに遅そうなので、切合小屋はさすがに無理だろうと思って、切合小屋に到着した時に、管理人さんにその旨を伝えておきました。

私は、翌日の日程もあるので、今日は何としても切合小屋に到着したいと思って急いで、16:20に切合小屋に到着することができました。

14:25 疣岩山

疣岩山を過ぎると、急登が一段落して、三国小屋までは、ゆるやかな登りの稜線歩きとなります。かなり暑くて、本当に暑くて体力を奪われます。水はぬるくなっていて、飲んでも体温が下がりません。1日目なので、1本ぐらい水を冷凍してくれば良かったです。

15:00 三国小屋に到着

予定より遅れて三国小屋に到着しました。三国小屋には、既に宿泊客の男性が数名いて、雑談を展開していいました。実は、重い荷物を持って暑い中を歩いてきたので、体が熱くなったことで、相当にバテていました。

少し休んでいると、山小屋の管理人の方から、「切合小山でいくなら、もう15:00だから、早く先にいかないと」と促されて、先を急ぐことにしました。時間の関係で石合小屋に行けない人は、三国小屋に宿泊する人が多いです。私は縦走の日程もあったので、何とか切合小屋に行きたいと思っていたので、先を急ぐことにしました。

15:15 岩場のハシゴ

三国小屋を出発してすぐに、岩場にハシゴが取り付けられているところがあります。大した岩場ではないように感じますが、荷物が重いこともあり、とりあえず慎重に登ることにします。

16:00 種蒔山

種蒔山という名前は、お花畑が多い飯豊山らしい名前だなと思いました。ここから切合小屋までは、30分ほどで到着します。

種蒔山
種蒔山

16:15 大日杉分岐

切合小屋は、大日杉コースを登ってすぐの所にある小屋です。大日杉小屋から登山して、地蔵岳(1539m)を経て尾根沿いを歩いてくると、この大日杉から切合小屋に登ってきます。

16:20 切合小屋に到着

切合小屋は、それなりに混雑しており、1階部分に個人客、2階部分が団体客の貸し切りになっていました。総勢20名ほどの宿泊客がいたと思います。1階部分は、角ごとに個人客に割り振られて、私も良い場所で十分に休むことが出来ました。飯豊山でレアな食事つきの山小屋なので、食事つき8000円を選択しました。

大日杉から切合小屋を使って1泊2日で往復するコースも良く利用されているようです。

切合小屋
切合小屋

切合小屋のカレーは、レトルト味が酷くて、全くオイシイものではありませんでした。それでも、お腹は空いていたので、おかわりして食べました。ここは東北アルプスと呼ばれる深い山中であり、輸送が容易な場所の手作りカレーと比較しては酷ですね。自分でレトルトカレーを持って来た方が良かった気がしますね。

切合小屋の裏には、テント場があって、テント20張りぐらい張れそうです。この日は、10張ぐらい張られていました。1泊2日とかで来るのであれば、テント泊で自炊するのも楽しそうです。今回は、テントを持ってきていません。(緊急ツェルトの代わりに自転車カヴァーのみ持参)

Day2 2023.07.22

2日目は、切合小屋から梅花皮小屋まで約18キロを歩きます。ほとんど稜線歩きになるので、高低差は少ないですが、御西小屋に荷物をデポして、大日岳にピストンするので、歩く距離は長くなります。結局、想定より時間がかかり、12時間もかかってしまいました。

Day2
11時間51分
距離17.7km (休憩1時間9分)
5:10 切合小屋
5:40 草履塚(ぞおりづか)
7:15 本山小屋(飯豊山避難小屋)
7:40 飯豊山
8:10 駒形山
9:12 御西岳
9:23 御西小屋
10:52 大日岳
12:48 御西小屋
13:42 天狗岳
15:08 御手洗ノ池
16:10 烏帽子岳
16:31 梅花皮岳(かいらぎだけ)
16:55 梅花皮小屋

4:55分 切合小屋で朝食

4:55分に切合小屋で朝食を取ります。朝食を食べたいので5:00以降の出発にしましたが、この選択は間違いでした。1泊2日とかのプランであれば、朝食をとってゆっくりしていっても良いのですが、縦走の場合に5:00出発では遅すぎました。この自分に対するあまさが、この日の山荘到着時間を遅らせる結果になってしまったので反省しています。

縦走の場合には自分で朝食を作って4:30前に出発すべきでした。時間がタイトである縦走の基本は自炊であり、時間設定がある山小屋の食事に頼らないことが大切かと思います。

2日目は、大日岳の登山を含んで、18キロほどを12時間歩くという過酷な行程になりました。朝から天気が良くて安心します。

5:20 登山道に残る雪

切合小屋を出発してすぐに残雪の場所がありました。ここは斜度も緩やかで大したこともないと思ったので、慎重にわたって乗り切りました。この後に、こんな残雪ルートがいくつも出現するとは、予想してませんでした。アイゼンも、ピッケルも持参してません。(他の登山者に聞いても、アイゼンを持ってきてる人は誰1人としていませんでしたが)

5:40 草履塚

草履塚(ぞおりづか)は、飯豊山へ詣でる際に履き替えた草鞋が積まれ塚となったとされる場所です。この後に飯豊山の難所である御秘所(おひそ)を控えており、気を引き締める意味もあったのかもしれません。

6:15 御秘所(おひそ)

切合小屋から本山小屋にかけての岩場で、東側が数十メートルほどの崖になっています。江戸時代頃には、地元の子が14-15歳ごろになると、この飯豊さんに参拝して、御秘所を超えると一人前とされたと言われる場所でもあります。昔から地形はほとんど変わっていないでしょう。(私は、その14-15歳頃に父親に連れられて地元の岩手山に登った記憶があり、頂上で撮影された写真が家に飾られています。その頃が大人になる修行をする年頃なんでしょう)

東側の崖側を避けて、落ちるとしても西側に・・・という感じで慎重に通過します。ただ、今は補助に鎖が付いているので、それほど恐怖を感じる場所ではありませんでした。

逆側から、歩いて来たルートを眺めてみる(6:55分頃に撮影)と、尾根沿いをずっと歩いてきたことが分かります。中央部にある岩場が「6:15に通過した御秘所(おひそ)」です。この辺りでは、飯豊山を目指して登山する人が多かったです。

7:00 テント場

御秘所(おひそ)と本山小屋の間には、水場に降りられる場所があり、テント場を張って野営している人がいます。ここは、風が非常に強くてテントを張る場所には適さないのですが、風を避けるための石が沢山積まれていて、その中にテントを張っています。

7:15 本山小屋

切合小屋を出発して2時間ばかり歩くと、本山小屋に到着しました。本山小屋で休憩している人によると、もともとは、ここが「飯豊山の山頂」ということになっていたらしいのですが、近くの山を測量したら、そっちの方が高いので、そちらが飯豊山になり、こちらが「本山」になったということです。この本山には神社が併設されています。

本山小屋
本山小屋

7:40 飯豊山 登頂

日本100名山に選定されている飯豊山(標高2005m)に到着しました。

8:30 天空の尾根歩き

飯豊山の山頂から御西小屋までは、現実世界とは思えないようなお花畑が広がっています。飯豊連峰の中でも、最も印象深かった場所の1つです。

秘密の花園に来たような、そんな気持ちです。

御西小屋が見えてきました。御西小屋は、雪解けがはぐくむ草原の中に立っています。

9:23 御西小屋

朝のうちに御西小屋に到着することができました。御西小屋は、大日岳と分岐になっている場所です。この辺りで、少しだけ雲行きが怪しくなってきました。御西小屋に荷物をデポして、水と携帯食料ぐらいを持って、大日岳に急ぎます。少し行くと、マイクロバスで一緒だった谷さんが向かってきました。思わず「あ、谷さんですよね」と声をかけて、軽い雑談をします。

大日岳は、飯豊連山の中で最高峰の山です。途中でやぶこぎなどもあって、片道だけで1時間半もかかりました。途中、ほとんど草刈りがされていない場所があって、草むらをこぎながら行くような場所もありました。残雪場所を通過するところはありませんでした。

大日岳
大日岳

10:52 大日岳 2128m 登頂

飯豊連峰で最も高いとされる大日岳に登頂はしましたが、残念ながら、曇って景色がほとんど見えなかったので、山頂で少し休憩だけして、早々と下山を開始しました。

大日岳の帰り道に70歳ぐらいのカメラ好きの男性と一緒に下山していたら、1人であるくよりも時間がかかってしまいました。さらに御西小屋で雨が降ってきて30分ぐらい待機ロスしました。朝から歩きっぱなしで体も疲れていて、休憩したかったのだと思います。合計すると1時間以上の待機ロスになっていました。

12:48 御西小屋

大日岳の登頂を果たして、御西小屋に戻ってくると、天候が不安定になって、雨が降り始めてきました。山小屋で10分ほど様子を見ていましたが、雨が少しやんだので、100円ショップで買ったカッパを羽織って、そのまま出発しました。雨は、30分ほど歩くうちにやみました。

(夏山で雨が降ってきた時には、下手にウィンドブレーカーを着こむよりも、雨ガッパでしばらく様子を見た方が良いと思っています。ウィンドブレーカーは、保温性などを重視したつくりになっているので、大雨で濡れると乾くまでに時間がかかります。実際、北海道の夏にトムラウシ山で雨の中遭難した人たちは、雨に濡れたのに乾燥できずに低体温症になっています。最初からウィンドブレーカーを着ると、ウィンドブレーカーが完全に濡れると、防寒具がないことになってしまうからです。その意味で、本格的な雨に対しては、「100円で買える超軽量の雨カッパ」が極めて有効だと思っています。そして、ツェルト代わりに「100円で買える50グラム以下の自転車カヴァー」を持っていれば、かなりの大雨でも、それを頭からかぶって座って飯でも食っていれば、低体温症は防げます)

13:50 最初の残雪あるき

今回、岩場よりも危険を感じたのは、この「夏場の残雪あるき」です。中途半端に残った雪は、夜に凍り付いて滑りやすくなっています。しかも、残雪場所は1カ所だけではなくて、登山道の複数の場所に残雪が見られました。運が良いことは、雨がぱらついていましたが、まだ視界が保たれていることです。

14:25 天狗の庭

朝5:00から既にかなりの時間歩いているので、疲れも見えてきて、天狗の庭を綺麗だと思う余裕がなかった気がします。それより、薄暗くなってきた天気を気にしていました。

14:35 残雪を超えていく

この斜面を滑り落ちれば、けがをしてしまったり、救助をよばなければいけない事態になる可能性があります。運が悪く傾斜が急なところで落ちれば、死亡することもあるでしょう。既に残雪量は少ないこともあり、もし滑落しても、慌てずに土の方向に向かっていけば、無傷で停止する可能性があります。

飯豊山荘に行った時に管理人の方と会話すると、実際に昨年に雪に滑って滑落したという学校教員がいて、滑落した後に救助要請はしたものの、無傷で救助されて飯豊山荘で休んでいったと言ってました。やっぱ、このあたりで滑った人はいるんかい。

雪渓の残雪
雪渓の残雪

頼母木山小屋の管理人さんによると、「ガスがかかっている時が最も危険」であり、方向感覚を失って道を間違えて、崖から滑落する危険性があるということです。実際、ガスがかかった時に雪渓に迷い込んで、崖から落ちて死んだ人がいると話していました。普通にやばいやん。

写真で見ると雪渓なんて大したことなさそうに見えるのですが、単独で、かつ午後だと「滑っったら無事だったとしても、時間ロスで山小屋に到着しないよな」と考えて、より慎重になってしまいます。

7月後半ということもあって、雪はかなり溶けてはいるのですが、登山ルートの一部に残雪がかかっています。一部の雪は、「氷のように凍結している」ことが見て取れます。その凍結している所に足を乗せると滑落する危険があるので慎重に。

雪渓の残雪
雪渓の残雪

15:08 御手洗ノ池

晴れていれば、輝いて見えるのかもしれませんが、多少のガスがかかっていることで薄暗い感じがして、何だか不気味な感じがします。残雪に神経を使って、疲れもでてきたので、先を急ぐことにします。

御手洗池
御手洗池

15:40 ガスがかかって視界悪化

ガスがかかってきて、視界が悪くなりはじめました。そこで、それまで雪の上を歩く箇所が複数あったので、間違って右側の雪渓の残雪にあった足跡をみてルートに進んでしまいます。しばらく雪渓を歩いたのですが、あれ?何かおかしいな?と感じて、YAMAPの地図をよく見ると、微妙にずれています。マジ危なかった。ガスがかかってルートを間違えて危険な雪渓の上を進んでて、今回の登山で最も危険なところでした。慌てて引き返して、左側の道にいきます。天気が良ければそれほど危険がないコースであっても、尾根上でガスがかかった時は、ルート間違いと滑落の危険が増すので、本当に慎重でなければいけません。山側にルートがあるのに、雪渓の上をいくなんて、疲れていたのかな。

雪渓の残雪
雪渓の残雪

16:10 烏帽子岳

烏帽子岳(標高2015m)に到着しました。梅花皮小屋までは、ここから1時間ほどなので、山小屋に17:00頃には到着できる目途が立ちました。天気が薄暗くなっている中で、何かあるといけないので、先を急ぎます。

16:30 梅花皮岳

16:30頃になって、ようやく梅花皮小屋が見えてきたときは、本当にほっとしました。同時に北股岳の大きな斜面が見てて来て、登山道が崖の近いのを見るに「明日はあそこを登るのか」と身構えてしまいます。

ちなみに、この梅花皮小屋は、石転び沢を登った時の終着点として知られています。写真を見て分かる通り、右側は傾斜が急であることが分かります。

梅花皮岳から見た北股岳

17:00 梅花皮小屋

朝から休憩1時間で11時間も歩き続けてきました。途中で雪渓が残ることろも超えて、ハラハラしました。

梅花皮小屋では、山小屋の管理人にお金を支払って、夕食を食べて、すぐに横になります。梅花皮小屋は、1階に団体5名、2階に個人が4名というところでした。かなり疲れているので、すぐに寝る事が出来ます。北股岳の斜面をみて、「ああ、明日はあんな斜面を登らないといけないのかな」と思って、ちょっと不安になりました。ただ、あまり考える余裕もなく、横になって寝ます。

Day3 2023.07.23

3日目は、梅花皮小屋から頼母木小屋まで歩き、荷物をデポして、朳差岳にピストンして、頼母木小屋に宿泊します。

Day3
9時間20分
距離13.2㎞(休憩1時間13分)
5:12 梅花皮小屋
5:29 北股岳
6:44 門内岳
6:44 門内小屋
7:25 胎内山
8:02 地神山
8:25 地神北峰
8:51 頼母木山
9:16 頼母木小屋
10:06 大石山
11:00 鉾立峰 (ほこたてみね)
11:53 えぶり差小屋
12:40 えぶり差岳
13:00 鉾立峰 (ほこたてみね)
13:53 大石岳
14:30 頼母木小屋

5:12 梅花皮小屋を出発

3日目は、早朝に出発して、梅花皮小屋から北股岳は、重い荷物の中でハラハラするガレ場を登りました。このガレ場が捕まるところがなく、急斜面すれすれの所に登山道があるので、滑るのではないかと本当にドキドキしました。ここにガスがかかって登山道が見えなくなったら危険だなと思うのでした。

時間的には20分ほどで登頂することができます。

5:30 北股岳に登頂

北股岳の山頂は、晴れていたのですが、2日目の疲れが取れていない中、重い荷物で急斜面のガレ場を一気に登ってきたので、かなり体力・気力を使い果たしてしまって、へたり込んでしまいました。対して景色を楽しむ余裕もなく、北股岳からすぐに下山しました。北股岳から門内に向かうルートは、植物の中を安心して歩いていけるので、緊張する場所はありませんでした。

北股岳に登頂してから30分ほどすると、この一帯が雲に覆われてガスで周辺が見えづらくなりました。北股岳の周辺は、ガスがかかりやすい場所だと思いました。

6:45 門内小屋

門内小屋では、休憩しながら新潟側から登山してきた人と、軽い雑談を20分ぐらいしていました。その人は写真を撮影するのが好きで、この小屋から北俣岳にあがったところで引き返すということでした。この登山で、本当に何人もの人と多くの雑談を楽しむことができて、楽しい旅ができたと思います。

朳差岳にチャレンジしていく日になりました。朝に梅花皮小屋を出発して、早朝に北股岳に登頂、そこからしばらく歩いて頼母木小屋に到着しました。

9:16 頼母木小屋

山の上に白く塗装された「頼母木小屋」が見えてきました。本当に天空の中に建ってる山小屋みたいで凄い景色です。私が見たかった景色というのが、目の前に広がっていました。天気が良いので、朳差岳を含む周辺の山々を見渡すことができます。何だか天気が良くて気持ちがいいです。

ちょうど、このあたりで管理人らしき方とすれ違うことがあり、「今夜はお世話になります」とご挨拶して、朳差岳に行く事を伝えておきました。「時間があるから、朳差岳の先にあるお花畑も見てくるといいよ」と言われました。結局、足場が崩れてた場所があって、そこまで行かなかったんですけど。

頼母木小屋
頼母木小屋

頼母木小屋に荷物を置かせてもらって、朳差岳に行くというプランです。朳差岳は、頼母木小屋から片道2時間、往復3~4時間ほどになります。頼母木小屋からは、大石岳、鉾立峰などを超えていかなければいけません。重い荷物を持たなくて良いだけで、気楽な気持ちになります。

頼母木小屋からは、朳差岳・朳差小屋を見る事が出来ます。見た感じでは、いくつかの山を越えなければならず、かなり「遠いな」という印象を受けたのですが、、、実際には、1時間半ほどで行けちゃいます。岩場などもないので、天候が良ければ、それほど危険個所がなくいくことができます。

頼母木小屋から見る朳差岳

10:06 大石山

頼母木小屋から大石岳(標高1562m)に登ります。大石山に来るルートは、閉鎖されていました。

11:00 鉾立峰 (ほこたてみね)

大石山と朳差岳の中間地点に位置しています。

12:40 朳差岳

11:53に朳差小屋(えぶりさしこや)に到着しました。そこには、本当にアルプスの草原のような素晴らしい光景が広がっていて、神様の庭園のような風景になっています。沢山のトンボたちが飛んでいて、黄色い花が咲いています。本当に素晴らしい景色ですね。ここから朳差岳の頂上が見えて、ほんの5分ほどで登頂できます。

そこで地元のおじさんと飯豊山の会話を楽しみながら休憩を取りました。もう、おじさんと30分ぐらい会話したでしょうか。山頂に向かうことにします。

朳差岳
朳差岳

12:40 えぶり差岳 頂上

朳差岳の頂上からは、朳差小屋、今まで歩いてきた道、頼母木小屋まで良く見渡すことができます。ほんと、良くこんな遠くまできたなーと思っていました。冒険から帰りたくないけど、やっと帰って休めるような、そんな複雑な思い。

頼母木小屋の管理人が「朳差岳から少し行けば、お花畑があるよ」なんていうものだから、朳差岳の頂上を超えて行ってみましたが、すぐに何だか道が崩落した場所があって、少し危険そうだからやめとくかと思ってやめました。実際には、朳差岳に来るまでに急登の連続で疲れていて、もう朳差岳の登頂だけで満足しておこうと思ったのでした。もういい、朳差岳まで来れただけで満足です。

14:30 頼母木小屋

想定したぐらいの時間に頼母木小屋にもどってくることができました。管理人さんからジュース購入(CCレモン500円)して、宿泊登録・宿泊費を支払いました。ドコモの電波が入るので、家族に電話して「明日下山する」ことを伝えます。今日は、男5人が宿泊(3人山小屋、2人テント)で、皆で雑談します。川入から入ってきて、縦走してきた男性は、もう13年も飯豊山に登っているという事でした。実際、飯豊山を歩いてみると、その景色に魅了される理由も良く分かりました。各自が18:00頃に食事をとって、夕方19時30ごろには、寝袋に入って寝てました。

Day4 2023.07.24

4日目は、頼母木小屋から丸森尾根を通って、飯豊山荘に下山します。

Day4
5時間57分
距離5.7km(休憩14分)
4:30 頼母木小屋
4:45 頼母木山
5:15 地神北峰
6:20 丸森峰
10:24 天狗平コース登山口
10:27 飯豊山荘着
(飯豊山荘の温泉)
13:00 飯豊山荘からのバスで小国駅へ

3:30 起床

山小屋の1階には、私を含めて男3人がいましたが、3人とも3:30には起床していました。私以外の山小屋泊の2人、テント泊の2人は、4:00前、まだ暗いうちに出発していました。特に一番早いテント泊の1人は、3:30分に私が起床したころに出発したようでした。暗い中を出発するのは、暑さをさけるためと、日中を長くとって安全確保のためです。

4:00 朝食のパスタ

私は、最終日ということもあって、朝食をゆっくり食べてから4:30分頃に出発することにしました。1分で茹でられるパスタにセブンで買ったソースをかけて食べましたが、これ結構いけました。さすがに連日の尾西のアルファ米に飽きていたのだと思います。

9:45 丸森尾根の岩場

丸森尾根は、トンデモ岩場があったります。細い崖になった岩場ですが、何故か鎖もハシゴもありません。かなり重い荷物を背負って、この岩場を下山するのは、相当に慎重さが必要です。登る時には、さらに慎重さが求められるでしょう。

東北の山でなければ、間違いなくハシゴか、鎖が付いているような場所なんですが、何も付いていません。写真だと分かりづらいですが、左右のどちらも急斜面になっているので、滑落するとかなりヤバいです。「丸森尾根で滑落した」という人がいますが、たぶんここ。

丸森尾根の岩場
丸森尾根の岩場

10:30 飯豊山荘に到着

飯豊山荘に到着して、ようやく3泊4日の縦走登山を終了することができました。本当に暑い中で歩き続けてきたので、この時の力の抜け具合は、本当に半端なかったです。コーラとアイスを注文して、それを一瞬で消費して、温泉に直行しました。

飯豊山荘
飯豊山荘

11:00 飯豊山荘の温泉

飯豊山荘には、小さい温泉が付いています。温泉があることは、飯豊山荘に下山するコースを選んだ理由でもあります。洗い場が1つだけなんで、2人以上で入浴する際には、洗い場を交代しなたら入浴しなければいけないのですが、3日間も風呂に入ってなかったのもあって、ほんとに最高の温泉でした。体は疲れてましたが、気分は最高に晴れやかです。

飯豊山荘の温泉
飯豊山荘の温泉

飯豊山荘で温泉から上がって、加藤さんという管理人の方と話をさせて頂きました。加藤さんは、かつて山岳会で毎週のように飯豊山に登っていた猛者でした。今は、、登山をほとんど引退されて、飯豊山荘で管理人をされていますが、とても優しく、気さくな方で、飯豊山についての熱い思いと楽しい情報を話してくれました。

13:00 飯豊山荘発

13:00に飯豊山荘からのバス(運賃700円)に乗ります。町営バスは、1日3本で、9:15、13:00、16:40のみになっています。登山客は、私とお風呂に入っていた2泊3日で飯豊山を縦走していた外資ITコールセンターの男性のみでした。この男性の方と雑談しながら13:46分小国駅に到着して、今回の登山行程をほぼ終えました。

JR小国駅で代行バスでJR坂田駅までアクセスして、そこから電車で新潟駅まで行き、新潟に宿泊することになりました。新潟の宿泊の1日は、登山の予備日としている1日でした。新潟に宿泊した翌日には、越後湯沢方面に行くことになっていました。

余談ですが、JR坂田駅では、頼母木小屋で一緒だった男性とたまたま一緒になって、新潟まで軽い雑談をしました。彼はダムの方に下山して、タクシーで坂田駅まできたということです。

多くの人との出会い

今回、夏の旅で印象的だったのは、非常に多くの人と出会いがあったことです。1人旅というのは、パートナーがいない分だけ、新しい人と会話する機会がおおくなります。旅の最初にデマンドバスで出会った谷さん(御西小屋から大日岳の途中でもお会いしました)とは、登山口まで一緒に行動させて頂いて植物のことを色々と教えて頂きました。門内小屋で20分ほどお話させて頂いた方は、飯豊山の素晴らしい自然にリピートしている方でした。大日岳の帰りに一緒にさせて頂いたカメラ好きの農家の方は、何度も飯豊山に通って植物を撮影していて、カメラマン一戸さんをご存じの方でした。頼母木小屋でお話させて頂いた個人の登山者各4名、飯豊山荘で温泉に一緒に入っていた外資系企業のコールセンターに勤務した方、そして飯豊山荘で加藤さんなど。

中国・華山の思い出

ちょっと西安・華山の思い出を思い出したので書いておきます。2019年に中国・西安に1人で旅をした時、世界的に有名である華山に登りました。もともと華山に行く予定はなく、空港で出会った超バックパッカーの日本人(私より荷物が少ない人を初めて見た)が「華山に行く」と言っていたので、私もホテルでツアーを申し込んだのでした。この日本人とは、華山の上でも会うことになります。あれ!みたいな。

ツアーバスは、早朝に西安市内で拾ってくれて、華山まで送迎して、帰りの待ち合わせ時間だけ指定して自由時間になってしまいました。私はどうしたものか?と思っていしたが、たまたまツアーバスの中で出会った、「米国在住の台湾人の方」と一緒に行動させて貰うことができました。この米国在住の台湾人の方は、50代ぐらいの方でしたが、家族から1週間の許可を得て西安旅行に来て、「生涯に1度の思い出だから」と言ってました。そのため、華山を徹底的に調べてきて、そのお陰で華山を全てまわることができました。念のために連絡先は交換しましたが、特に連絡をとってはいません。ただ、旅先で1つ1つの出会いをきちんと大事にすれば、何かと良いことがあると思ったのでした。

登山に行った感想

飯豊山は、素晴らしい山と聞いてはいましたが、本当に良い思い出に残る山行になりました。

装備品

僅かな重量の積み重ねが、かなりの重さになることを痛感しました。充電電池は、1泊10000mAで足りましたが、電池がなくなると終わりのことを考えると、もう1本予備があっても良かったかもしれないと思いました。以外に大事になるのは、予備の折り畳みサングラス(呼びなので100円ショップのもので十分)だったりします。サングラスを落とした時に、夏の日差しで白内障にならないためです。

3泊4日の縦走では、荷物が重くなりますが、削れない装備もあると思っています。例えば、ヘッドライトの電池が切れたらどうするか?ということで、小型ライトを持っていくことは必要かと思います。また、バーナーが切れた時には、食事できない事態にならないように固形燃料2つぐらい持参してます。ただし、今回の場合は、ザックの容量を超過していたと反省しています。

コンパス×2(方角チェック)
携帯用のミニトイレ
自転車カヴァー(簡易ツェルト代用品)
エマージェンシート(保温用)
ホッカイロ×3(保温用)
流せるポケットティッシュ×3
充電電池10000mA×3+予備5000mA×2
充電コード×4
ヘッドライトメイン1+予備1
ランタン(Carry The Sun)
予備の小型ライト(Goal Zero)
日焼け止めクリーム
手袋×2
歯ブラシセット
カトラリーセット(100均)
保温の魔法瓶×1
汗拭きタオル×2
超軽量の傘(100G)
サングラス
帽子
着替え
Soto バーナー(+ガス缶)
固形燃料×3
携帯用の軽五徳(100均)
ライター
チャッカマン

持っていくべきだったもの

タグライト(バックに着けておく)
もっと質の高いザック
もっと軽い寝袋
料理グッズを新調
予備の折り畳みサングラス(100均)
100均の軽五徳は、更に軽いものがないか探し中。
(なければ持たなくてもいいかも)
靴を脱いだ時に着用するサンダル

飯豊山は、9月下旬には早々と紅葉時期を迎えます。その時期の紅葉も素敵らしく、次回に来るなら紅葉時期にでも来てみたいなと思いました。ただし、紅葉時期は、デマンドバス運行時期ではなく、避難小屋の管理人不在(土日はいたりする)などの不便もでてきます。

Youtuber かほさんも登頂

Youtuberかほさんは、2022年9月末に門内小屋から、飯豊山を経由して、大日杉に降りるルートを選択しています。