登山・キャンプの安全対策

大菩薩嶺
大菩薩嶺

登山リーダーはガイドではない

登山リーダーは登山ガイドでも、ツアーガイドでもありません。登山する時は、自己責任のもとで基本的な所を自分で調べてくる必要があります。特に宿泊を伴う登山では、全員があらかじめ登山計画を十分に把握しておくことが重要になります。

登山ガイドであれば、有償で安全に登山を行う責任を負いますが、友人関係であれば、その責任をリーダーが負ってくれる訳ではありません。遭難したことをリーダーの責任にすることはできないのです。

▼ゆとりある登山の計画

登山の計画に無理があると、遭難する要因になってしまいます。ゆとりある登山計画を組むことは、遭難防止に役立ちます。きちんと予定を組まない、もしくは予定が滅茶苦茶すぎるリーダーは信頼されません。社会人は忙しいながらも、きちんと余裕がある情報共有を行っておくことが大切になります。

山の天候は変化しやすく、特に午後に崩れやすくなっています。このため、早朝に行動開始、昼前には山頂に到着して早めに下山を開始する必要があります。また、もし道が分からないなどで遅くなった場合には、夕方頃に「行動をしない」という選択が必要になります。遭難で助かる方法は、夕方からむやみに動き回らずに体力をきちんと温存することです。

▼悪天候時の登山を中止

天候が悪いときには、登山を中止する判断も大切になります。天候などで予定を柔軟に変更できるように、メンバーで事前に「雨の日はやめにして観光&温泉にしよう」と言っておけば良いかもしれません。悪天候時の決行にこだわると、安全に問題が出てくることになってしまうので、登山では絶対にやってはいけない行為になります。

人生には、登山以外にも楽しみは沢山あります。1つのことに固執しすぎず、様々な楽しみ方を模索してみるのが安全対策であるとも言えるでしょう。雨が降った時には、どのようにするか?ということを事前にパーティメンバーで話し合っておくことが大切になります。

ソロ登山は危険と言われることもありますが、ソロ登山では「天候が悪いようなら登山を中止」などの判断を1人で柔軟に行えるという点においては、無理をしないで安全を確保できるメリットもあります。

▼各自の装備の確認

登山のレベルが高くなればなるほど、各自の装備の確認がとても重要になります。

山で背負う重さの目安

・日帰り:3kg前後
・山小屋泊:4.5kg前後
・テント泊:7kg前後
・山小屋の縦走:10kg前後
・テント泊の縦走13kg前後

ヘッドライト

暗くなった時に備えて、ヘッドライトを持っていくことが重要に成ります。ヘッドライトを持たなかった場合、100円ショップのライトでも持たないよりはマシなので、必ずスマホ以外のライトを持っていくようにしましょう。

手袋

手袋は、うるし・毒キノコに対する接触などによる、手のかぶれに有効です。100円ショップの簡易手袋であったとしても、手のかぶれを予防する上で重要になります。登山で木につかまった時などに、うるしに接触することで、手のかぶれを起こすことがあります。また、ナラ枯れが発生した森林で猛毒の「カエンタケ」に接触する場合があり、手袋をすることで皮膚吸収を防止することができます。

スマホの充電器

最近の登山において、スマホがあるだけで安全対策になりますが、スマホの充電が切れると役に立ちません。スマホの充電は、予備も含めて2つ以上を保有しておく必要があります。スマホの充電器は、食料と並んで優先順位が極めて高い装備品になります。スマホが通じて誰かと連絡が取れると、遭難を知らせることもできるからです。

▼非常食の保有

非常食として、チョコレート、あめ玉、カロリーメイトなど高カロリーのものが有効になります。怪我などで沢に降りれなくなって、水分補給ができなかった可能性も考慮して、必ずゼリー状のものを持っていくことも大切になります。

▼脱水症状の予防

登山で水は多めに持ち歩くことが基本になりますが、縦走登山などになると、水を確保するのが困難な事もあります。そのような時に備えて、縦走登山では、簡易のろ過装置が必修品になります。縦走登山でほとんどの人が持ち歩いているものであり、6000円もしますが、登山で最も重要となるのが「水」ななので、ケチるところではありません。

私が利用していて、特にオススメなのは、「KATADYN(カタダイン) 高性能 浄水器 BeFree ビーフリー」です。人体に有害となる微生物・バクテリアを0.1ミクロンのフィルターで除去します。

▼地図・マップの保持

携帯地図を持ち歩くなどして、自分の位置を把握しておくことは、遭難防止に役立ちます。また、携帯電話のGPS機能を使って、場所を確認することができれば、すぐに通常の登山ルートに戻ることができます。

▼遭難した時の対策

遭難した時の生存率は、食料の有無、飲み物の有無、装備品の有無で大きく変わってきます。携帯電話が通じる場所では、外部と連絡が取りやすいので、尾根に上がって携帯電話で外部に救助要請を出すのが良いでしょう。

▼山岳保険の加入

難易度が高い山に登山する時には、山岳保険の加入を奨励します。